ウクライナで現在行われている紛争の根本には、米国によるロシアの弱体化政策があり、米国が後押しした2014年のクーデターによって、ウクライナの首都キエフにつくられた親米政権が、東部ウクライナ国民(ロシア語話者)を差別、迫害したために、ウクライナ政府軍と自治を望む東部ウクライナの人々の間で起きた内戦(ドンバス紛争)が発端です。  ウクライナ軍のサルジニー総司令官は、1日、「8年8ヶ月間戦争を続けてきた」とツイート、2014年から現在まで戦闘が続いていることを認めています。  「私たちは、国土の28倍、人口が4倍、軍事力が何倍もある国に対して戦争を行っています。私たちは8ヶ月間ではなく、8年8ヶ月間戦争を続けてきた」 ※Commander-in-Chief of the Armed Forces of Ukraine@CinC_AFU(午前5:59 ・ 2022年11月1日) https://twitter.com/CinC_AFU/status/1587187595708080133  サルジニー総司令官は、自分達が戦ってきた相手はロシアだと示唆しています。  しかし、ドキュメンタリー映画『ドンバス』を撮ったフランスのアンヌ・ロール=ボネル監督は、3月1日にフランスのテレビ『CNEWS』の取材に対して、2014年からこの戦争が始まったとして、ウクライナ政府軍がドンバスを空爆し、砲撃を行うなど、東部に住むウクライナ国民・ロシア語話者を標的にしてきたと述べています。  「マタタビの羅針盤」がボネル監督が出演した『CNEWS』の番組に和訳をつけてYouTubeで公開しています。 ※"ウクライナ危機、フランス人ジャーナリストが証言「ウクライナを爆撃しているのはロシア軍ではない」CNEWS 2022/03/01" (マタタビの羅針盤、2022年3月8日) https://youtu.be/V1rffL9EEOM  IWJは、ボネル監督のドキュメンタリー映画『ドンバス』を仮訳して紹介するなど、ウクライナ政府軍が東部ウクライナにおいて継続的に攻撃を続けてきたことをお伝えしてきました。 ※2015年のドンバスで何が起こっていたのか? 貴重な証言の記録、2016年ドキュメンタリー映画「ドンバス」アンヌ-ロール・ボネル監督 仮訳出! 2022.4.15 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504732 ※【IWJ号外】ウクライナ軍は8年前から現在まで、ドンバスで救急隊員を執拗に狙い撃ちしている! これは、ジュネーブ条約違反だ!! 現地取材する バートレット記者「ウクライナの戦争犯罪」をIWJが全文仮訳! 2022.10.3 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/511228 ※はじめに~2022年2月24日から10月23日までにウクライナの民間人犠牲者は1万6150人! ドンバス地域の政府軍支配地域での死者の数(3365人)は、ロシア軍支配地域での死者の数(423人)の約7.96倍! 2014年に始まったドンバス戦争の拡大版が、現在行われているウクライナ紛争! IWJは2月下旬にドンバスに侵攻する計画を記したウクライナ軍の軍事文書を仮訳!(日刊IWJガイド、2022年10月27日) 非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51461#idx-1 会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20221027#idx-1  「ウクライナのために何かしないといけない」、「ウクライナを守る為」というとき、どのウクライナのことを言っているのでしょうか。東部ウクライナの人々は、守るべきウクライナには入らないのでしょうか。「義の侍」というとき、その「義」はどのような正義なのでしょうか。  特に東部ルハンシクやドネツクの最前線で、お互いに多くの犠牲を出しながらウクライナ軍と戦っているのは、ロシア軍だけではなく、ドネツク人民共和国軍・ルハンシク人民共和国軍のウクライナ語話者でもあるのです。彼らは、2014年からのウクライナ政府と民間のネオナチの暴徒による差別と攻撃の前は、間違いなくウクライナ国民でした。  「ウクライナのために何かしないといけない」という素朴な動機で、日本人や台湾人、あるいは韓国人の若者がこの紛争に加担し、その尊い命を落とすなどということは、ウクライナ紛争の実相が正しく報道されていれば起こらなかったはずの悲劇ではないでしょうか。
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