ネタバレ 軍部は新たに生体兵器を作ろうと計画し、実験を進めた。肉体を作成するにあたり、ある程度の知性を持たせる事も視野に入れて人間を材料とする事となった。何十人もの孤児の肉体と合成されたそれは名状し難い「何か」になっていた。それは特殊な液体で満たされた巨大な水槽で成長していき、やがて球状の生々しい凸凹とした肉体に複数の眼と腕が生成された。研究者達はその「何か」に魂を入れる実験を行った。すると五官が完成し、「会話」を行えるようになった。その過程で研究者達は自分たちを「家族」と教えた。しかしながら、その実験は失敗だと判断された。その「何か」は会話をしているわけではなく、反応をしているだけだと分かったためである。そして結局、その生体兵器自体が使い物にならないと判断され計画は破棄される事となった。 しかし、その「何か」は着実に学んでいた。実験による痛みを忌避することを覚え、計画が中断された際の科学者たちの侮蔑の表情や失望感を覚えた。 そして、その「何か」は力を手に入れた。 「知性」という力を。 するとその怪物は、幼いながらにその力をみせた。「家」の構造を理解したそれは水槽を分解し、科学者達のいる元へ会いに行った。家族が喜びの表情を見せると思った怪物は、彼らの顔をみて、失望感と怒りを抱いた。 子供はその巨体を活かし、家じゅうを暴れまわった。すると家の明かりがなくなった。その間に子供は途轍もない早さで進化していった。怒りの解消方法として家族を食べることを思いつき、それに快感を覚えるようになった。暫くして青年は、まだ開けていない扉がある事に気づいた。まだ楽しめるな、と青年は喜んだ。
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